【受給額アップ】人材開発支援助成金は「賃上げ」で増やせる! 5%要件と3%要件の違いを解説します。

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「せっかく助成金を申請するなら、少しでも多く受給したい」
「従業員の賃上げを考えているけれど、タイミングに迷っている」

そんな企業様に朗報です!
人材開発支援助成金(人材育成支援コース)には、訓練終了後に「賃上げ」や「手当の新設」を行うことで、助成額や助成率が大幅にアップする仕組みがあります。
この記事では、助成金を「増額」させるための2つのコース(賃金要件・資格等手当要件)について、具体的な条件や計算方法を分かりやすく解説します!

どれくらい増える? 「賃上げ」のメリット

まずは、どのくらい金額が変わるのかを見てみましょう。
中小企業が「人材育成訓練」を実施した場合、通常と賃上げ後ではこれだけの差が出ます。

【賃金助成(訓練時間の給料補助)】

訓練メニュー対象労働者区分助成額(1人1時間あたり)賃金要件等加算
人材育成訓練正規800円1000円(+200円)
非正規800円1000円(+200円)
認定実習併用職業訓練正規800円1000円(+200円)
有期実習型訓練非正規800円1000円(+200円)

【経費助成(受講料等の補助)】

訓練メニュー対象労働者区分助成率賃金要件等加算
人材育成訓練正規45%60%(+15%)
非正規70%85%(+15%)
認定実習併用職業訓練正規45%60%(+15%)
有期実習型訓練非正規75%100%(+25%)

※中小企業の例です。大企業も増額幅は異なりますが対象になります。

例えば、100時間の訓練を10人が受けた場合、賃金助成だけで 20万円(200円×100時間×10人) も受給額が増える計算になります。これは活用しない手はありません!
増額を受けるためには、以下の A「賃金要件」 または B「資格等手当要件」 のどちらかを満たす必要があります。

要件パターン①:基本給などを上げる「賃金要件(5%アップ)」

これは、シンプルに「毎月の給料(基本給など)を5%以上ベースアップする」方法です。

【達成の条件】
・いつ: 訓練終了日の翌日から起算して1年以内まで。
・誰に: 訓練を受けた対象の労働者全員。
・どれくらい: 改定前と改定後の「3か月間の賃金総額」を比べて、5%以上増加。

【重要】「賃金」に含まれないものに注意!
ここが一番の落とし穴です。比較する賃金は「毎月決まって支払われる賃金(固定的賃金)」に限られます。

× 計算に入れないもの(変動するもの・個人的なもの)
・残業代(時間外手当、休日手当)
・通勤手当、住宅手当、家族手当
・精皆勤手当、歩合給、賞与など

○ 計算に入れるもの
・基本給
・役職手当
・(全員一律に支払われる)職務手当など

つまり「残業が増えてたまたま給与が5%増えた」というのはNGです。基本給や固定手当そのものを昇給させる必要があります。

要件パターン②:手当をつくる「資格等手当要件(3%アップ)」

こちらは、基本給全体のベースアップが難しい場合に使いやすい「新しい手当を作って支払う」方法です。

【達成の条件】
・準備: 就業規則や賃金規程に、訓練に関連した資格やスキルに対する「手当の支払い」を明記すること。
・実行: 訓練終了日の翌日から起算して1年以内に、実際に対象労働者全員へ手当を支払うこと。
・どれくらい: 手当を支払うことで、支払う前と比べて賃金総額が3%以上増加していること。

【ポイント】 「3%」の計算ルールはパターンAと同じく、残業代や通勤手当を除いた「固定的賃金」で比較します。
注意点として、「新しい手当を作った代わりに、他の手当を減らした」という場合は認められません(合理的な理由がない限りNGです)。純粋な上乗せである必要があります。

手続きのタイミングは「後から申請」

この増額分(加算分)は、通常の助成金申請(訓練終了後2か月以内)とはタイミングが異なります。

1. 通常の申請: まずは訓練終了後2か月以内に、「通常の助成額(800円・45%)」で申請・受給します。

2. 賃上げの実施: その後、社内で賃上げや手当支給を実行します。

3. 追加の申請: 条件を満たした賃金を3か月継続して支払った後、別途「増額分」の申請を行います。

・申請期限: 3か月継続して支払った日の翌日から起算して5か月以内。

忘れた頃にやってくる手続きなので、カレンダーに入れて管理しておきましょう。

まとめ:どちらを選ぶべき?

【全社的にベースアップを予定している場合】 「賃金要件(5%アップ)」がおすすめ。既存の昇給計画とうまく合わせれば、スムーズに達成できます。

【基本給を上げるのはハードルが高い場合】 「資格等手当要件(3%アップ)」がおすすめ。特定のスキルを身につけたことへの評価として手当を新設すれば、3%の上昇で済みます。

この「増額」を活用すれば、助成金が増えるだけでなく、従業員のモチベーションアップや定着率向上にもつながります。ぜひ「人を育てて、処遇も上げる」好循環を目指してください。

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※本記事は2026年1月時点の法令・情報に基づき作成しています。
助成金の支給要件は頻繁に変更されるため、具体的な申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認いただくか、所轄の労働局または社会保険労務士までご相談ください。
【参照資料】
厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内(令和7年4月1日版)」
     「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)支給要領(令和7年4月1日版)」

👉 厚生労働省:人材開発支援助成金 公式ページ(申請書・要領のダウンロードはこちら)



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