「現場で教えながら(OJT)、基礎知識(OFF-JT)もしっかり学んでもらいたい」
「意欲のあるパートさんを正社員として迎え入れたい。長く活躍してもらえるようしっかりとした研修をしたい」
このような人材育成の課題を抱えている企業様は多いのではないでしょうか。
特に、人手不足が深刻な建設業、IT業、介護・福祉業界などでは”未経験者をいかにして自社の戦力に育て、定着してもらうか”が経営の生命線となっています。
そんな課題解決に最適なのが、人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の「有期実習型訓練」です。
このコースは、働きながら学ぶOJT(実務)と、座学で知識を習得するOFF-JT(講義)を効果的に組み合わせることで、助成金を受けながら計画的な人材育成ができる仕組みです!
かつては訓練を実施するだけで助成対象となるケースもありましたが、2025年4月の制度改正により、「訓練終了後の正社員転換」が支給の絶対条件となりました。 ハードルは上がりましたが、その分、OJT期間中の実施助成など、他のコースにはない手厚い支援が用意されています。
企業側は”教育コスト”を抑えられ、働く側は”働きながらスキルを身につけ、正社員を目指せる”という、双方にメリットのある制度です。
この記事では、2026年現在の最新ルールに基づき、有期実習型訓練の複雑な要件や、失敗しないための申請フローについて、実務視点で徹底解説します。
👉人材開発支援助成金の各コースの解説についてはこちら
1.【制度概要】働きながら育てる「有期実習型訓練」とは?
このコースの最大の特徴は、座学(OFF-JT)だけでなく、現場での実習(OJT)も「OJT実施助成」として助成対象になる点です。
通常、人材育成訓練では、仕事を離れて行う講習(OFF-JT)しか助成対象になりません。しかし、有期実習型訓練では、先輩社員がついて仕事を教える時間(OJT)に対しても、別途定額の助成金が支給されます。
つまり、「現場で仕事を教える手間(コスト)に対して、国から応援金が出る」という、中小企業にとって非常に使い勝手の良い仕組みになっています。
”正社員化”が前提!(ただし正社員にならない場合は他制度へ転換OK)
以前の制度では、訓練を実施すれば(結果的に正社員にならなくても)助成金が支給されるケースがありました。しかし、現在は正規雇用労働者等への転換等が必須となっています。
「訓練終了後、支給申請日までに、有期契約労働者等の正規雇用労働者等への転換等を実施した場合に限り、助成対象となります」(「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内」P21より引用)
もし正社員等への転換を行わなかった場合、原則として「有期実習型訓練」としての助成金は不支給(0円)となります。この場合、後述する「人材育成訓練」へ切り替えて申請しましょう。
「正規雇用労働者等」とは?
いわゆる”フルタイムの正社員”だけでなく、以下の形態への転換も対象となります。
・勤務地が限定されている正社員
・職務が限定されている正社員
・フルタイムではない短時間勤務の正社員
・契約期間の定めがない労働者(※待遇が正社員と同等でなくても、期間の定めがなくなれば要件を満たす場合があります)。
有期実習型訓練の仕組み
正社員経験の少ない有期契約労働者等を対象に、OJTTとOFF-JTの2つを組み合わせて実施します。
OJT「適格な指導者の指導の下、企業内の事業活動の中で行われる実務を通じた訓練」
OFF-JT「企業の事業活動と区別して業務の遂行の過程外で行われる訓練」
(「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内」P13「用語の定義」より)
つまり、先輩社員がマンツーマンでついて実際の仕事をさせながら教える「現場実習」がOJT、現場を離れて行う「座学」や「研修」がOFF-JTということです。
これらを組み合わせて実施し、最終的に「正規雇用労働者等」へ転換することを目的とします。
2.【助成額と助成率】いくらもらえる? (中小企業の例)
この助成金でもらえるお金は、大きく「経費助成(受講料など)」と「賃金助成(訓練時間の給料補助)」の2種類です。ここでは中小企業の場合の金額を紹介します(大企業は少し下がります)
※助成額・助成率の出典:「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内(令和7年4月1日版)」P16
経費助成(受講料などの補助)
| 助成率 | 賃金要件等加算 | |
| 正規・非正規問わず | 75% | 100%(+25%) |
研修にかかった入学料や受講料などが戻ってきます。
正規・非正規雇用に関わらず一律75%で、賃上げ等をすればなんと100%(+25%)にアップ。研修にかかった経費の全額が助成されます!
賃金助成(OFF-JT期間中の給与補助)
| 助成額(1人1時間あたり) | 賃金要件等加算 | |
| 正規・非正規問わず | 800円 | 1000円(+200円) |
従業員が研修を受けている間も、会社は給料を払う必要があります。その負担を軽減するための助成です。
基本: 1人1時間あたり 800円(★令和7年4月から増額されました!)
賃上げ等をすれば: 1人1時間あたり 1,000円(+200円)にアップ!
★この「時給」の助成は、座学(OFF-JT)の時間に対して支払われます。
OJT実施助成(現場実習に対する定額ボーナス)
| 助成額(1人1コースあたり) | 賃金要件等加算 | |
| 正規・非正規問わず | 10万円 | 13万円(+3万円) |
1人1コースあたり10万円 (※訓練終了後に賃上げ等をすれば13万円)
★OJT(実習)の時間数に関わらず、実施すればコースごとに定額が支給されます。
【重要】eラーニング・通信制の注意点
いつでもどこでも受けられる「eラーニング」や「通信制」は便利ですが、助成金においては以下のルールがあります。
経費助成: 対象になります。
賃金助成: 対象外(0円)です。
「eラーニングを受けさせている時間の賃金助成も計算に入れていた…」という失敗が無いよう必ず覚えておいてください。
3.【金額入り事例】成功と失敗のケーススタディ
制度の仕組みが分かったところで、実際にどれくらいの助成金が受給できるのか、具体的なモデルケースで計算してみましょう。 ※以下はすべて中小企業の例です。助成額は2025年4月改正後のレートで試算しています。
ケース1:建設業(アルバイトから正社員へ)
未経験で採用した20代のアルバイト(月給20万円)
【訓練内容】
期間:3か月(時間換算で212.5時間以上が必要)
OFF-JT:外部の教習所で「車両系建設機械」などの資格講習(計100時間/受講料15万円)
OJT:現場での先輩社員による実地指導(計300時間)
総訓練時間:400時間(基準の212.5時間以上をクリア)
【結果】
訓練終了後、予定通り「正社員」として雇用契約を締結。
さらに、基本給を**20万円から21万円へ「5%アップ」**させた。
【受給額シミュレーション】
・賃金助成(OFF-JTの100時間×1,000円)=100,000円
・経費助成(15万円×85%)=127,500円
・OJT実施助成=130,000円
――――――――――――――――――――
合計受給額:357,500円
【+αのメリット】キャリアアップ助成金との併用
正社員転換時に「賃金を3%以上アップ」させるなどの要件を満たせば、別途「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」としてさらに80万円(※)が受給できる可能性があります。本助成金と合わせると、総額115万円以上
👉【キャリアアップ助成金(正社員化コース)の受給要件と申請のポイントはこちら】
ケース2:IT業(契約社員から職務限定正社員へ)
プログラミング未経験の30代契約社員
【訓練内容】
期間: 6か月(時間換算で425時間以上が必要)
OFF-JT:オンラインのプログラミング講座(計200時間/受講料30万円)
OJT:オンライン会議システムを活用した開発実務指導(計200時間)
総訓練時間:450時間(基準の425時間以上をクリア)
【結果】
フルタイム出社は難しいため、就業規則に定めた「職務限定正社員(開発職)」として無期雇用へ転換。
【受給額シミュレーション】
・賃金助成(OFF-JTの200時間×800円)=160,000円
・経費助成(30万円×75%)=225,000円
・OJT実施助成=100,000円
――――――――――――――――――――
合計受給額:485,000円
【+αのメリット】
ケース1同様、このケースでも「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」との併用できる可能性があります。
ケース3:小売業(アルバイト)~本人が正社員化を辞退した場合~
店舗スタッフとして採用したパート社員
【訓練内容】
期間: 2か月(時間換算で141.7時間以上が必要)
OFF-JT:販売士検定講座など(計30時間/受講料5万円)
OJT:店舗での接客実習(計120時間)
総訓練時間:150時間(基準の141.7時間以上をクリア)
【結果】
会社は正社員登用を打診したが、本人が「家庭の事情で正社員は難しい。引き続きパートのままでいたい」と辞退。正社員転換は行わなかった。
【受給額シミュレーション(「人材育成訓練」に切り替えた)】
・賃金助成(OFF-JTの30時間×800円)=24,000円
・経費助成(5万円×70%)=35,000円
・OJT分の助成(賃金・実施助成とも)=0円
――――――――――――――――――――
合計受給額:59,000円
※「有期実習型訓練」としては不支給(要件不備)
しかし「人材育成訓練」へ切り替えて申請したため、OJT実施助成(10万円)はもらえませんが、受講料の大部分と座学時間の賃金はカバーできました。
3.【支給要件】複雑な要件をわかりやすく整理!
人材開発支援助成金の申請において、支給要件は大きく「訓練の要件(どのようなカリキュラムか)」と「労働者の要件(誰が受けるのか)」の2つで構成されています。
この2つの基準をすべて満たさなければ、助成金は受給できません。
特に、訓練の要件においては「時間数の計算」が、労働者の要件においては「過去の経歴(正社員歴)」が審査の重要ポイントとなります。
※要件の出典:「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内(令和7年4月1日版)」P21~23
「訓練の要件」とは?
計画届に記載する「訓練カリキュラム」に関する要件です。特に⑤の時間数計算は計算ミスによる不支給が多いため、注意深く確認してください。
① 目的「正規雇用労働者等に転換することを目的に、職務に関連した専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練であること。」
つまり、単なるスキルアップではなく、正社員になるための準備として実施する必要があります。
② 職務関連性 「職務に関連した専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練『職務関連訓練』であること」
現在の業務、または正社員転換後に予定されている業務に直結する内容でなければなりません。趣味・教養的な内容や、接遇マナーのみの研修は対象外です。
③ 訓練の構成「OJTとOFF-JTを効果的に組み合わせて実施する訓練であること」
現場実習(OJT)だけ、あるいは座学(OFF-JT)だけの訓練は認められません。必ずセットで行います。
④ 期間「訓練実施期間が2か月以上であること」
実日数が2か月以上必要です。なお、会社の休日などで1か月以上連続して訓練が行われない期間がある場合、その期間はカウントされません。
⑤ 時間数「総訓練時間数が6か月当たりの時間数に換算して425時間以上であること」
計算ミスが起きやすいポイントです。以下の計算式で基準時間をクリアしているか必ず確認してください。
【計算式】
425時間 ×(訓練月数 ÷ 6)= 必要な総訓練時間
【判定例】
| 2か月コース(総訓練時間 160時間) | ◎ | 141.7時間以上の基準をクリア! |
| 3か月コース(総訓練時間 220時間) | ◎ | 212.5時間以上の基準をクリア! |
| 6か月コース(総訓練時間 420時間) | × | 425時間以上の基準をクリアならず・・(5時間不足) |
⑥ OJTの比率「総訓練時間数に占めるOJTの割合が1割以上9割以下であること」
OJTの割合が多すぎ・少なすぎに注意しましょう。例えば総訓練時間が300時間の場合、OFF-JT(座学)は最低でも30時間以上組み込む必要があります。
⑦ OFF-JTの実施方法と時間「OFF-JTについては、『通学制』又は『同時双方向型の通信訓練』であり、1コースの実訓練時間数が職業訓練実施計画届の届け出時及び支給申請時において10時間以上であること」
eラーニング(録画視聴)は原則対象外です。Zoom等を使ったライブ研修か、対面研修で10時間以上実施してください。
⑧ OFF-JTの実施場所「OFF-JTについては、『事業外訓練』又は『事業内訓練』のいずれかであること」
外部の研修機関に通わせる形でも、社内で講師を立てて行う勉強会形式でも可能です。
⑨ OJTの指導体制 「OJTについては、適格な指導者の指導のもとで、計画的に行われるものであること」
「適格な指導者」とは、その業務の経験があり、社内で指導役として指名された従業員や役員を指します。外部のコンサルタント等はOJT指導者になれません。
⑩ OJTの実施方法「OJTについては、原則、対面で行うこと」
ただし、プログラミングや経理、労務管理など、Web上で画面共有しながら指導できる業務については、テレワーク等でのオンライン指導も認められます。
⑪ 日誌の作成「OJTについては、OJT実施日ごとに、訓練受講者が『OJT実施状況報告書(OJT訓練日誌)(様式第9号)』を作成すること」
1週間ごとや1か月ごとのまとめての記録ではなく、実施日ごとに記録をつけることが必要です。
⑫ 評価「訓練終了後にジョブ・カード様式3-3-1-1『職業能力証明(訓練成果・実務成果)シート(企業実習・OJT用)』により職業能力の評価を実施すること」
訓練の最後に、指導担当者が「できるようになったか」を〇×などで評価します。
「労働者の要件」とは?
「誰に受けさせるか」の要件です。特に⑥の過去の経歴要件は、本人の履歴書をよく確認しないと見落としがちですのでご注意ください。
① 被保険者資格 「有期実習型訓練を実施する事業主の事業所において、訓練の終了日または支給申請日に被保険者であること」
訓練期間中および申請時点で、雇用保険に入っている必要があります。
② 雇用形態 「助成金を受けようとする事業主に従来から雇用されている有期契約労働者等または新たに雇い入れられた有期契約労働者等であること」
契約社員、パートタイマーなどが対象です。派遣労働者を「紹介予定派遣」で受け入れて訓練する場合も対象になります。
③ 期間中の身分 「訓練実施期間中において、有期契約労働者等であること」
訓練が終わる前に正社員にしてしまうと、要件から外れてしまう可能性があります。正社員転換は必ず「訓練終了後」に行います。
④ 計画届への記載 「職業訓練実施計画届時に提出した『対象労働者一覧』(様式第3-1号)に記載のある被保険者であること」
計画届に名前のない従業員が訓練を受けても、助成金は出ません。
⑤ 出席率 「OFF-JTを受講した時間数がOFF-JT実訓練時間数の8割以上であり、かつ、OJTを受講した時間数がOJT総訓練時間数の8割以上である労働者であること」
病欠などで休みすぎると対象外になります。訓練を受ける従業員の方が無理のないよう、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
⑥ 過去の経歴とキャリアコンサルティング(★重要)「キャリアコンサルタント等により、職業能力形成機会に恵まれなかった者(次の1又は2のいずれかに該当する者)として事業主が実施する有期実習型訓練に参加することが必要と認められ、ジョブ・カードを作成した者であること」
訓練前に面談を受け、以下のどちらかに当てはまると判定された人のみが対象となります。
| 1 | 過去5年以内に、同じ分野で通算3年以上、正社員として働いた経験がない |
| 2 | 1に当てはまらない(正社員経験がある)場合でも、過去5年以内に半年以上休業していたり、単純作業しか経験がない |
⑦ 雇入れ時の約束 「正規雇用労働者等として雇用することを約して雇い入れられた者(※)ではないこと」
採用時に「必ず正社員にします」と約束している場合は対象外です。あくまで「有期契約」として採用し、訓練結果を見て登用を判断する場合に限ります。
⑧ 理解度「事業主が実施する有期実習型訓練の趣旨、内容を理解している者であること」
⑨ 業務独占資格(該当する場合のみ)
「業務独占資格に係る業務(理美容等)を対象とした訓練である場合、業務独占資格に係るOJTを実施する前までに、当該資格を有している者であること」
例えば美容室でのOJTなら、訓練生は美容師免許を既に持っていなければなりません。
⑩ 他社での訓練歴 「他の事業主が実施した公共職業訓練、求職者支援訓練、実習併用職業訓練または有期実習型訓練を修了後6か月以内の者でないこと」
直近半年以内に、前の会社などで国の支援を受けた訓練を受けていないか確認してください。
⑪ 自社での訓練歴「同一の事業主が実施した公共職業訓練、求職者支援訓練、実習併用職業訓練または有期実習型訓練を修了した者でないこと」
同じ会社で2回以上、この手の訓練コースを受けることはできません。
5.【全体フロー】申請から受給までの流れ
有期実習型訓練は、思いつきで「明日からやろう」といってできるものではありません。計画の提出から受給まで、半年以上の長い期間がかかります。
スケジュール管理を徹底し、一つずつ確実に進めていきましょう。
STEP 0:事前準備(制度導入と人選)
まずは社内体制を整えます。
• 訓練対象者の選定
「正社員にする予定のパート・アルバイト」を決めます。
• 就業規則の確認
正社員転換制度や、訓練期間中の労働条件が就業規則(または労働協約)に定められているか確認します。
• 推進者・事業内計画の準備(※推奨)
「職業能力開発推進者」の選任と「事業内職業能力開発計画」の策定を行います。 これらは有期実習型訓練の申請要件ではありませんが、万が一正社員転換できず「人材育成訓練」へ切り替えて申請を行う場合には必須となります。リスクヘッジのため、念のため準備しておくことをおすすめします。
👉【「職業能力開発推進者」の選任と「事業内職業能力開発計画」の策定についてはこちら】
STEP 1:キャリアコンサルティング(訓練開始前)
訓練計画を立てる前に、対象となる労働者に対して面談を行います。
• ジョブ・カードの作成
対象労働者本人が、自身の職務経歴やキャリアプランを記載した「ジョブ・カード」を作成します。
• キャリアコンサルティングの実施
キャリアコンサルタント(国家資格者など)が面談を行い、「この人が正社員になるためには、この訓練を受ける必要がある」という評価・確認を行います。 ※この面談記録が、後の申請で必須書類となります。
STEP 2:計画届の提出(訓練開始の1か月前まで)
ここが最初の締め切りです。
• 提出期限
原則として、訓練開始日から起算して1か月前までに、管轄の労働局へ提出します。 (例:4月1日から訓練開始したい場合、2月末日までに提出が必要です)
※もし期限に遅れてしまったら?
1日でも遅れると、予定していた開始日での申請は一切受け付けてもらえません。この場合は「訓練開始日を後ろにずらす(1か月以上先の日程に変更する)」ことで、期限内提出の要件を満たすように計画を修正し提出しましょう。
• 提出書類一覧
以下の書類をセットにして提出します。
| 1 | 職業訓練実施計画届(様式第1-1号) |
| 2 | 訓練実施計画届(様式第1-2号)※事業主団体の場合のみ |
| 3 | 対象労働者一覧(様式第3-1号) |
| 4 | 事前確認書(様式第11号) |
| 5 | 有期実習型訓練に係る訓練カリキュラム(様式第15号) |
| 6 | ジョブ・カード(様式1-1、2、3-1、3-2の写し) |
| 7 | 有期実習型訓練に係る事前確認書(参考様式第1号) |
| 8 | 対象労働者の雇用契約書(写し) |
| 9 | OFF-JTのカリキュラムや受講案内(内容、時間、料金がわかるもの) |
| 10 | OFF-JT講師要件確認書(様式第10号)※社内講師の場合 |
STEP 3:訓練の実施(OJT・OFF-JT)
認定された計画通りに訓練を行います。
• OFF-JT(座学)
外部研修などを受講させます。受講を証明する修了証などは必ず保管してください。
• OJT(実務)
現場で指導を行います。ここでの最重要ポイントは**「OJT実施状況報告書(訓練日誌)」を毎日書くこと**です。 指導担当者と訓練生が、その日に行った業務内容と指導内容を毎日記録し、印鑑(または署名)を押します。「週末にまとめて書く」はNGです。
STEP 4:正社員への転換(訓練終了後)
訓練が無事に終わったら、いよいよ正社員への転換です。
• 評価の実施
訓練終了後に、ジョブ・カードを使って職業能力の評価を行います。
• 雇用契約の巻き直し
訓練終了後、速やかに(支給申請日までに)「正社員」としての雇用契約書を締結し、労働条件を変更します。 ※この際、給与額の変更(賃上げ)などがある場合は、その内容も契約書に明記します。
STEP 5:支給申請(訓練終了後2か月以内)
最後に、助成金をもらうための申請を行います。
• 提出期限
訓練終了日の翌日から起算して2か月以内に提出します。 (例:6月30日に訓練が終了した場合、8月31日が提出期限です)
• 審査と支給
労働局による審査(数か月から半年程度かかります)を経て、問題がなければ「支給決定通知書」が届き、指定口座に助成金が振り込まれます。
【注意】審査でよく見られるポイント
審査の際、労働局の職員が事業所を訪問する「実地調査」が入ることがあります。 パンフレット(P11、P31)
また、この調査への協力は助成金受給の必須要件です。調査を拒否したり、協力しなかったりした場合、助成金は不支給となります(パンフレットP10「不支給要件」より)
日々の訓練日誌や出勤簿(タイムカード)の記録を正確に行い、いつ調査が入っても対応できるように準備しておきましょう。
6.【Q&A】よくある質問
Q.訓練を実施した後、本人の辞退などで「正社員」にならなかった場合、助成金は1円ももらえないのですか?
A.原則として「有期実習型訓練」としては不支給ですが、所定の手続きを行えば「人材育成訓練コース」での申請が可能です。
Q.訓練期間中に、対象の従業員から「退職したい」と申し出がありました。この場合、助成金はどうなりますか?
A.賃金助成:退職の申し出があった日より前の分は支給されますが、退職の申し出があった日以降の訓練については、賃金助成の対象になりません。
経費助成:すでに実施済みのOFF-JT(座学)にかかった経費(受講料など)については、退職申出日以降の実施分も含めて助成対象となる場合があります。ただし、基本的には「人材育成の投資効果が見込めなくなった」と判断されるため、早めに訓練を中止する等の判断が必要です。
7.【まとめ】自社の「育てる力」を助成金で強化しましょう
2025年4月の改正により、有期実習型訓練は「正社員への転換」が必須となり、ハードルが上がったように見えるかもしれません。 しかし、裏を返せば**「本気で社員を育てて、長く活躍してもらいたい」と考えている企業にとっては、これまで以上に手厚い支援が受けられる制度**に進化したと言えます。
まずは、社内に「正社員にしたいけれど、スキル不足が懸念されるスタッフ」がいないか確認しましょう。
人材育成は、企業の未来への投資です。この助成金を有効活用し、未経験者を自社の頼れる即戦力へと育て上げてください。

ご質問・ご相談がございましたら
お気軽にお問い合わせください
※本記事は2026年1月時点の法令・情報に基づき作成しています。
助成金の支給要件は頻繁に変更されるため、具体的な申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認いただくか、所轄の労働局または社会保険労務士までご相談ください。
【参照資料】
厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のご案内(令和7年4月1日版)」
「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)支給要領(令和7年4月1日版)」
👉 厚生労働省:人材開発支援助成金 公式ページ(申請書・要領のダウンロードはこちら)