概要

・建設業を営むには、建設業の許可が原則必要

・建設業の種類は、一式専門合わせて全29種類

・申請先は、都道府県知事または国土交通大臣

・許可の区分は、一般建設業または特定建設業

・許可を受けるには、5つの要件クリアが必要

・申請から許可取得までは、約1か月~2カ月

大まかな流れ

1

要件に該当するかチェック

2

書類の準備

3

書類を窓口へ提出

4

登録免許税や手数料を納付

5

受付

6

審査

7

許可

解説

「建設業」とは?

「建設業」とは、建設工事の完成を請け負う営業をいいます(建設業法第2条第2項)
営業とありますが、これは営業職などの狭い意味の営業では無く、ひろく生計を立てるために営む事業、つまり、ビジネスとしてお金をもらってやってるのかということです。

そして、その「建設業」を許可を受けて営む者「建設業者」と呼びます(法第2条第3項)
建設業を営む者すべてが「建設業者」に該当するのではなく、建設業を営む者のなかで、建設業法上の許可を受けた者を「建設業者」と呼びます。

※ちなみに、ここで言う「建設業者」とはあくまで建設業法上の話です。日常会話として、建設業の許可を受けていない人を建設業者と呼ぶことは(当たり前ですが)何も問題ありません。

建設業の許可は必要か?

建設業の許可を受けた者(「建設業者」)と、受けていない者とがいるということは、建設業の許可は受けても受けなくてもどっちでも良いのでしょうか?結論から言うと、建設業を営もうとする者は、原則、建設業の許可を受けなければなりません(法第3条第1項本文)

ただし、「軽微な工事」のみを請け負う者はこの限りではない、つまり許可は要らないとされています(同条ただし書)

「軽微な工事」とは?

「軽微な工事」とは以下の工事を指します(建設業法施行令第1条の2第1項)

・1件の請負代金が500万円未満の工事(税込み)

・1件の請負代金が1500万円未満の建築一式工事(税込み)

・建築一式工事で、請負代金に関わらず(=1500万円未満か問わず)木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事

建設業の許可を受けるメリットは?

建設業の許可が必要かどうかは、「軽微な工事」のみを請け負うのかどうかの違いでした。
言い換えると、軽微な工事でない工事(500万円以上の規模の大きな工事など)を受注するには建設業の許可が必要だということです。今以上に会社をスケールさせたい、元請けや公共工事をたくさん受注したいと考えるのであれば、建設業許可を受けることは避けては通れません。

また、建設業許可を受けるためには様々な要件をクリアしなければいけません。後述しますが、人的要件(○○年経験を積んだ人がいないといけないとか)や、金銭的要件など、複数のファクターが一定の水準に達しているかが厳しく審査されます。つまり、建設業許可を受けた=それだけ厳しい審査をクリアした会社だと客観的に証明されたことを意味し、社会的な信用が高まることが期待できます。その影響力は発注者だけでなく金融機関にも及び、資金調達がしやすくなることにもつながります。
その他、発注者やゼネコンなどの元請業者によっては、(たとえ500万円未満の工事であっても)建設業許可を受けている業者にしか工事を発注しないなどが現実問題としてあります。

一方で、デメリット(?)といいますか、許可を維持するための労力とコストがやはりかかってきます。
具体的には、毎年の決算変更届の提出と、5年に一度の更新、それに伴う更新費用(5万円)などです。

建設業許可の全体像

建設業許可の種類は、以下の図の通りです。詳しくは1~4で見てまいりましょう。

1.建設業の種類

「建設工事」の種類は、土木一式工事、建築一式工事、大工工事など全29種類です(法第2条第1項)

土木一式工事と建築一式工事を「一式工事」、他の27の業種を「専門工事」と呼びます。

「一式工事」とは?

「一式工事」とは、総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物または建築物を建設する工事であり、平たく言えば、元請け業者が行う工事です。建設業法では、元請で受注した工事を一括して下請けに出すこと(いわゆる丸投げ)を原則禁止しています(法第22条)。そのため、下請けとして一式工事を行うことはほとんど無いかと思います。

また、「一式」の語感から、なんとなくこの許可さえあればどんな工事でもできるオールマイティーな印象を受けますが、あくまで「専門工事」とは別の許可業種です。「一式工事」の許可を受けた業者が、他の「専門工事」だけを請け負う場合は、その専門工事の許可を受ける必要があります。

そして、それぞれの建設工事に対応した業種で許可の申請をする必要があります(法第3条第2項)

例:大工工事のみを営む場合
この場合、取るべき建設業許可は「大工工事業」です。他のたとえば「電気工事業」の許可を(仮に要件が満たせたとして)受けたとしても、500万円以上の大工工事を受注することは出来ません。もし、大工工事も電気工事も営んでおり、どちらも500万円以上の工事を受注したいなら、「大工工事業」「電気工事業」それぞれの許可を受ける必要があります。

2.知事許可 or 大臣許可

つぎに、営業所の数と所在地によって申請先を決めます。

1つの都道府県にのみ営業所を設ける場合、都道府県知事(法第3条第1項本文、第5条、第15条)
2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合、国土交通大臣です(同上)

ポイントは、営業所の数ではなく、営業所がある都道府県の数です。

例:神戸市と姫路市に営業所がある場合
申請先は、兵庫県知事(=都道府県知事)です。営業所の数は2つですが、所在地がともに兵庫県内にあるからです。

例:吹田市(大阪府)と姫路市(兵庫県)にそれぞれ営業所がある場合
こちらの申請先は、国土交通大臣です。営業所の所在地が大阪府と兵庫県と2つあるからです。

なお、知事許可と大臣許可とでは管轄が違うという意味だけしかなく、許可の中身に違いはありません。言葉の響きだけ聞くと大臣許可の方が何か凄そう気もしますが、出来ることは全く一緒です。兵庫県知事の許可で、(現実的かはともかく)全国の工事を受注可能です。

一方で、申請手続きは、知事許可と大臣許可では集める書類が異なります。大臣許可の方が書類が多く手間も増えるため、行政書士に依頼する場合は大臣許可の方が高くなるのが一般的です。

3.一般建設業の許可 or 特定建設業の許可

建設業の許可は、「一般建設業の許可」「特定建設業の許可」に区分されており、どちらかの許可を受けなければいけません(法第3条第1項)

また、同一業種について一般と特定の両方の許可を受けることはできません。すでに一般で許可を受けており、新たに同一業種の特定で許可を受けた場合、一般の許可は法律上当然に効力を失います(同条第6項)

「一般建設業の許可」とは、「特定建設業の許可」以外の許可です。

「特定建設業の許可」とは、①発注者(建設工事の最初の注文者)から直接請け負った工事つまり元請け工事で、②その工事の全部または一部を下請けに出し、③下請代金の額(下請契約が2つ以上あるときはその総額)が4500万円(建築一式工事の場合、7000万円以上の建設工事を施工するときに必要な許可です。※税込み金額です。

今後、元請けとして大規模な工事を受注する予定で、下請け契約を

4.新規 or 更新 or 業種追加

最後は許可の新規・更新・業種追加を見てまいりましょう。

まず新規です。

新規には大きく3パターン(新規、許可換え新規、般・特新規)があります。

1つ目が、通常の新規です(法第3条第1項本文)

現在、建設業の許可を受けておらず今回新たに許可申請するパターンです。

例えば、これから建設業許可を受けようとする個人や法人過去に建設業の許可を受けていたが現在は許可が無い個人や法人が新たに許可申請する等です。

2つ目が、許可換え新規です(法第3条第1項本文・法第9条第1項)

現在、建設業の許可を受けており、その許可を今の行政庁から他の行政庁(例えば知事許可から大臣許可)へ換えるパターンです。※現行の建設業法では、前の行政庁から今の行政庁へ変更という形ではなく、新規許可+前の許可失効という建付けになっています。

例:兵庫県内に営業所があり、新たに大阪府内にも営業所を設ける場合
現在受けている兵庫県知事の許可から、国土交通大臣の許可へ許可換えが必要です。

例:兵庫県内の営業所を廃し、新たに大阪府内にのみ営業所を設ける場合
現在受けている兵庫県知事の許可から、大阪府知事の許可への許可換えが必要です。

例:大阪府内と兵庫県内それぞれに営業所があるが、大阪府内の営業所を廃し、営業所が兵庫県内のみになった場合
現在受けている国土交通大臣の許可から兵庫県知事の許可へと許可換えが必要です。

3つ目が、般・特新規です(法第3条第1項本文・同条第6項ほか)

同一業種の一般から特定へ変更する場合や、一般(特定)のみから新たに初めて別の業種の特定(一般)の許可を受けるパターンです。

例:一般の大工工事の許可を受けており、新たに大工工事業の特定の許可を受けた場合
大工工事業の一般の許可は効力を失い、特定の許可となります【一般/大工】→【特定/大工】

例:一般の大工工事の許可を受けており、新たに電気工事の特定の許可を受けた場合(特定は今回が初)
大工工事業の一般の許可はそのままで、電気工事業の特定の許可が受けれます【一般/大工】→【一般/大工+特定/電気】

ポイントは、同一業種で一般と特定の両方の許可を受けることはできないという点です。

なお、2つ目の例は、後述する業種追加と似ていますが別もので、申請にかかる費用は業種追加の方が安いです。

次に、更新です。

建設業の許可は、5年ごとに更新を受けなければ有効期間満了後に失効します(法第3条第項)

満了日の30日前までに更新の申請をする必要があります(法第14条、建設業法施工規則第5条)

最後は、業種追加です。

「一般」で許可を受けているときに、さらに別の業種で「一般」の許可を受ける場合などに必要な許可です。

なお、新たに受ける別の業種の許可が「一般」ではなく「特定」の場合、業種追加ではなく、般・特新規となります。

以上が、新規、更新、業種追加の説明となります。

許可を受けるための5つの要件

これまで、建設業許可の種類を見てきました。最後に、建設業許可を受けるための要件について確認します。
建設業の許可を受けるには、様々の要件をクリアしている必要があります。要件の分け方はいくつか考えられますが、ここではひとまず要件を大きく5つとして説明いたします。

その5つとは、次の通りです。

1.建設業の経営管理能力を有している

2.営業所ごとに専任の技術者がいる

3.請負契約に関して誠実である

4.財産的基礎または金銭的信用を有している

5.欠格要件に該当していない

なお、一般建設業と特定建設業とでは一部要件が異なっております。並行して説明すると大変なボリュームになるため特定建設業については改めて説明するとして、以降は一般建設業の要件を中心にご説明します。特定と一般の要件の違いは、簡単に言うと2と4の要件が特定は一般に比べて厳しいです。

1.建設業の経営管理能力を有している(法第7条第1号)

1つ目の要件は、会社や個人に「建設業に係る経営業務の管理を適正に行える能力」(経営管理能力)があるかどうかです。

経営管理能力があるかどうかの判断基準は大きく2つあります。

1つは、今の経営陣に建設業に関する経営経験があるかどうか(国土交通省令第7条第1項)

もう1つは、社会保険に加入しているかどうかです(同条第2項)

前者は説明が長くなりそうなので、先に後者の社会保険をご説明します。

社会保険は、適用除外になる場合を除き、法律上当然に加入が義務付けられています(この場合の社会保険は「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」を指します)。加入義務のある社会保険に加入していない場合、適正に経営を行っている(経営管理能力がある)とはいえないため、社会保険の加入が要件となっています。

続いて前者についてです。

前者は平たく言うと、今の経営陣の中に今まで一人親方や建設会社の役員をしていた人がいるかという事です。

この経営陣の具体的なメンバーは、個人の場合は個人事業主本人や支配人、法人の場合は常勤の役員です(非常勤役員は×)。いずれも営業所へ常勤していることが必要です。

建設業は、他の産業と違い、受注生産・重層下請構造・工事が天候に左右されるなど独特な要素があります。その中で目的物を完成にまで導くわけですから、建設業の経営には他の産業と異なる独自の経営能力が求められると言えます。ですので、建設業の許可を受けるのにも、建設業に関する経営経験が要件になっています。つまり、他の産業に関する経営経験ではダメなのです。例えば、製造業を何十年経営してきた方でも、建設業の経営経験(一人親方や建設会社の役員経験)が無ければ、その方で要件を満たすことはできません。この場合は、他の役員の方どなたかで要件を満たす必要があります。

また、ひとくちに建設業に関する経営経験と言っても、どの程度の期間、どういった立場で経営に関わっていたのか、それにより経営者としての経験値も異なると言えます。

この点、建設業法では、以下の①~⑤ように分類されています。①②③は個人として十分な建設業の経営経験がある場合の話で、④⑤は個人の経営経験は不十分だがそれをカバーする組織が作れている場合の話です。他にも、国土交通大臣により認定されるもの(海外での役員経験等)というのもありますが、極めて特殊な例ですので説明は割愛します。

なお、建設業に関する経営経験は、必ずしも取得したい建設業である必要はありません。大工工事業の許可を受けたい場合、過去の経営経験は大工工事業に関する経営経験である必要は無く、およそ建設業(全29種類のうちどれか)であればどの業種でも良いとされています。

「5年」以上「経営業務の管理責任者」としての経験がある者

例:一人親方や建設会社の社長や取締役などの役員

対外的に責任のある立場で、建設業の「経営業務」について総合的に管理した経験がある方達です。このパターンが一番イメージしやすいのではないでしょうか。この「経営業務の管理責任者」のことを、通称、経管と呼びます(以下、長いので「経営業務の管理責任者」を経管と呼びます)

「5年」以上経管に「準ずる地位」として「経営業務を管理した」経験がある者

例:会社の執行役員

執行役員は名前に役員とありますが、基本的には従業員であり会社法上の「役員」ではありません。しかし、取締役会(ここで言う経管クラスの方々)が決定した経営方針に基づき行動するため、経管とまではいかないも経管に準ずる地位として「経営業務」の管理をしていた経験がある者として扱われます。

「6年」以上経管に「準ずる地位」として経管を「補佐~した」経験がある者

例:個人事業主の親方と共に事業を営む奥さんやお子さん

こちらも準ずるシリーズですが、こちらは経管の補佐をしていた経験です。②の管理経験者は、取締役会設置会社という比較的大きな組織(取締役が3人以上いるとか監査役がいるとか)の一部の人間(執行役員等)の話でしたが、こちらはそういったものに限定されず、もう少しカジュアルな組織をも含めて、経管に次ぐポジションで、お金の管理や職人さんの手配など「経営業務」全般に関わっていた経験がある方達です。期間は、②の管理経験者より1年長く、6年以上となっています。

「2年」以上「役員等」(≒「経営業務の管理責任者」)としての経験があり、「5年」以上「役員等」または「役員等に次ぐ職制上の地位にある者」として「財務管理」「労務管理」「業務運営」のうちいずれかを担当した経験がある者

例えば、建設会社で3年間人事部長(「役員等に次ぐ職制上の地位」「労務管理」)を務めた方が、その後2年間役員を経験した場合などです。

「経営業務」=「財務管理」+「労務管理」+「業務運営」とイメージしていただくと良いかもしれません。上記の人事部長で言うと、3年間は「経営業務」(=財務+労務+運営)のうち労務を管理した経験があり、その後役員として2年間は、「経営業務」(=財務+労務+運営)を管理

した経験があるという事になります。

「2年」以上「役員等」(≒「経営業務の管理責任者」)としての経験があり、「5年」以上他の業種も含め「役員等」の経験がある者

例えば、他の産業(製造業や不動産業)の役員をされていた方が建設会社の役員になったとか、他業種の社長が建設会社をM&Aし役員に就任したなどが考えられます。

今までの①~④はすべて建設業に関する経営経験を前提としていましたが、この⑤は建設業以外の他の業種での経営経験もカウント出来るのが特徴です。

④と⑤にはさらに要件があり、④または⑤の者を「直接に補佐する者」を組織内に置く必要があります。

「補佐する者」は、その会社で5年以上、「財務管理」「労務管理」「業務運営」のいずれかの業務を経験した者に限られます。

①②③は、経営管理能力が適正がどうかを一人の人間の経験に求めていましたが、④⑤は、組織の体制にそれを求めるという点に違いがあります。

2.営業所ごとに専任の技術者がいる(法第7条第2号)

建設工事を適正に施工するためには、その建設工事に関する経験や資格を持った専門の技術者が必要です。たとえその道何十年の職人さんであっても、別の業種の工事で同じくらい技術があるかとなると話は別です。いざ建設業の許可を取ったは良いが(実際は取れませんが・・)、誰もその業種の工事に関する技術がなくてまともに工事が出来ないという事はあってはいけません。
その業種の建設業許可(例えば大工)を受けようとするのであれば、やはりその業種(大工)に関する技術者が必要になります。電気や管工事の技術者では要件を満たせません。

そして、この技術者は営業所への専任(常勤して専らその任にたずさわること)が求められています。営業所に「専任」する技術者なので、専任技術者と呼ばれています。
専任技術者の具体的な役割は、注文者との折衝や技術的な事に関する説明、見積、入札、請負契約の締結、現場担当者への指導監督など多岐に渡ります。
専任である理由は、建設工事に関する請負契約の締結等は営業所で行われるため、営業所ごとにその工事の専門的知識を有する技術者が常に勤務して担当業務を行っている必要があるからです。ですので、非常勤(パートタイム)だったり、常勤(フルタイム)であっても別の営業所との掛け持ちや他の法令により専任が求められているもの(例:宅建士や管理建築士など)と兼ねることは、専任と認められないとされています。なお、常勤には、テレワーク含むつまりテレワークOKだと解されています。

専任技術者かどうかは、次の①~③のいずれかを満たすことで判断されます。

①学歴+実務経験がある者

高校卒業の場合、卒業後の実務経験は「5年」です。
大学卒業の場合、卒業後の実務経験は「3年」です。
学歴、実務経験ともに、受けようとする許可業種に関するものでなければいけません。例えば、大工の建設業許可を受けるなら、工業高校や大学の工学部などを卒業した大工の実務経験者を専任技術者に選ぶ必要があります。

実務経験は、現場監督などの工事の指揮監督経験はもちろんのこと、技術習得のための見習い期間中の経験も含みます。反対に、単なる雑務や事務系の仕事は技術上の経験とは見なされず、ここでいう実務経験には含まれません。また、期間は連続している必要はなく、累計でよいとされています。何度か転職し1社での経験が短くても、全ての会社でのトータルで3年なり5年なりの実務経験があればOKです。もちろんその分、証明の手間は増えます。

この実務経験は、学歴や国家資格と違い、そのままでは卒業証書や資格証などの事実を裏付ける客観的証拠がありません。ですので、実務経験証明書というものを作成して証明する必要があります。これには使用者の証明が必要なため、前の職場での実務経験や、相当昔の実務経験を証明するとなると場合によってはかなり大変な作業となります。

②実務経験がある者

学歴問わず、実務経験「10年」です。
こちらも同じく、受けようとする許可業種に関する実務経験です。実務経験に含まれる業務や証明についても同様です。

③国家資格を持っている者

建設業法をはじめ建設業に関係した様々な法律で

要件1の経営経験は、業種問わずおよそ建設業に関する経営経験(全29種類のうちどれでも)であればOKでしたが、こちらの要件2については必ずその業種に関する技術者でなければならない点で異なります。

最後に、この専任技術者とは別に、「主任技術者」と「管理技術者」があります(法第26条)
専任技術者が営業所にいる技術者であれば、主任技術者と管理技術者は工事現場にいる技術者です。一般的には、現場監督と呼ばれている方々です。こちらは許可要件ではなく、あくまで許可取得後の工事施工に関する話ですので、詳しい説明は割愛します。

3.請負契約に関して誠実である(法第7条第3号)

3つ目の要件として、請負契約に関して「不正な行為」または「不誠実な行為」をしてはならないとあります。

「不正な行為」とは、請負契約の締結または履行に際して、法律に違反する行為、例えば、詐欺、脅迫、横領、文書偽造等を行うことです。
「不誠実な行為」とは、請負契約に違反する行為、例えば、工事の内容、工期、天災等不可抗力による損害の負担等について契約違反の行為を行うことです。

4.財産的基礎または金銭的信用を有している(法第7条第4号)

建設業を営むには、工事着工前に資材や機材の購入、労働者の募集などの準備があります。当然ですが、それらの準備のためある程度の資金が必要です。

そこで、許可を受けて適正な工事をするためにも、少なくとも「軽微な工事」つまり500万円以上の工事を請け負うことが出来るだけの財産的基礎または金銭的信用があることが要件となっています。

具体的には、以下の通りです。

①「自己資本」の額が「500万円」以上ある
ここで言う「自己資本」とは、純資産額を指します。
法人の場合、純資産額とは、貸借対照表の資産額から負債額を引いたもので、例えば1000万円の資産(現金や機材など)があり、負債(銀行からの借入など)が500万円の場合、純資産額は500万円です。イメージとしては、1000万円の現金があってとして、その内500万円は銀行から借りたお金で、残り500万円は自分が自由に使えるお金つまり自分の純粋な資産=純資産という感じです(あくまでイメージです)
個人の場合、期首資本金に事業主勘定の貸借をプラマイして、事業主勘定利益を足したものが純資産額となります。イメージは法人の場合と一緒です。

どの時点で自己資本が500万円以上あれば良いかは、直近の決算期時点です。新規設立の場合は、創業時点です。

②「500万円」以上の資金調達能力がある
信用によって金融機関から必要な資金調達可能か(金銭的信用があるか)、具体的には、500万円以上の資金について取引金融機関が発行した預金残高証明書または融資証明書で証明します(申請直前の1か月以内のものに限ります)。
預金残高証明書は、あくまで口座にいくらあるかを証明するだけのものです。つまり資金の調達先がどこかは関係なく、必ずしも金融機関からの融資である必要はありません。
融資証明書は、金融機関から融資可能と認められた者へ発行する証明書です。発行手数料は、預金残高証明書が数百円、融資証明書が約1万円です。

5.欠格要件に該当していない(法第8条)

欠格要件は全部で14項目あり、1つでも該当すれば許可を受けることが出来ません。
欠格要件の対象者は、個人の場合、個人本人とその使用人、法人の場合、取締役や執行役さらには相談役や顧問など法人に対して取締役等と同等以上の支配力を持っている人も含まれます。
14項目すべてはさすがに多いので、以下に主だったものを挙げます。

建設業許可の取消処分を受け、取消しの日から「5年」を経過していない者
過去に建設業の許可を受けていたが、不正の手段により許可を受けたまたは営業停止処分に違反したことなどを理由に許可の取消処分をされた場合、その取消しの日から5年は許可を受けることは出来ません。
許可の取消処分はこれ以外にもありますが(法第29条)、他は許可の要件を満たさなくなったからや、個人が死亡したや法人が消滅したからなどを理由とする取消処分です。

禁固刑以上の刑に処され、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から「5年」を経過していない者
「刑の執行を終わり」とは、現実に刑が終わったことを指します。
執行猶予がついた場合、猶予期間が経過すれば刑の執行そのものが消滅しますので(刑法27条)、消滅と同時に欠格事由には該当しなくなります。つまり5年待つ必要は無いって事です。
「その刑の執行を受けることがなくなった」とは、例えば時効が完成した場合などです。

建設業法等に違反して、罰金刑以上の刑に処され、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から「5年」を経過していない者
以下の法律に違反した場合、罰金刑であっても欠格要件に該当します。
・建設業法(罰金刑以上のすべて)
・暴力団対策法(罰金刑以上のすべて)
・刑法(傷害罪、暴行罪、脅迫罪など)
・暴力行為等処罰に関する法律(罰金刑以上のすべて)
・建築基準法(違反建築物、著しく保安上危険な建築物に関する命令に違反)
・宅地造成等規制法(無許可工事など)
・都市計画法(工事停止などの命令に違反)
・景観法(違反建築物に関する命令に違反)
・労働基準法(強制労働、中間搾取の禁止)
・職業安定法(労働者供給事業の禁止)
・労働者派遣法(労働者派遣禁止業務)

④暴力団員でないこと、または暴力団員でなくなった日から「5年」を経過していない者

許可申請書または添付書類に、虚偽があるまたは重要な事実の記載がないことが

料金

下記の報酬額をもとに見積書をご呈示いたします。
ご契約を無理強いすることはありません。弊所のサービスが報酬と見合うかどうか十分にご検討ください。

申請の内容報酬額の目安(税込み)証紙代金
新規許可 11万円 9万円
更新許可5.5万円 5万円
業種追加5.5万円5万円
決算変更届4万円
各種変更届2万円

その他

  • 料金はすべて前払い制です。
  • 許可が下りなかった場合、いただいた料金は全額返金いたします。
PAGE TOP